スプリントゴール
スプリントゴールは、スプリントの目的を表す唯一の目標です。基本的に、スプリント中はこのゴールを達成するための作業を、チームは最優先に考えます。(これを"スプリントゴールへの集中"と呼びます。)
スプリントゴールの特徴
- 一貫性: スプリントゴールは、開発者チームに作業の一貫性を提供します。
- 柔軟性: 技術的または機能的に何を実装するかについて柔軟性を持たせます。
- コミットメント: 開発者チームがスプリントで達成しようとしているものに対するコミットメントを表します。
- 具体性: 抽象的ではなく、具体的で測定可能なものである必要があります。
- 共有: スクラムチーム全体で共有されます。
効果的なゴールの設定方法
1. ビジネス価値の明確化:
スプリントゴールを設定する際には、そのゴールがビジネス価値にどのように貢献するかを明確にします。 プロダクトオーナーは、スプリントゴールが製品のビジョンやロードマップにどのように結びつくかをチームに説明します。
2. チームとの合意形成:
スプリントゴールは、PO によるトップダウンではなくチーム全員の合意のもとに設定されるべきです。 チームメンバーがゴールの設定プロセスに参加し、そのゴールにコミットメントすることで、ゴール達成に向けた責任感が高まります。
スプリントゴールへの要求
1. 明確さを兼ね備えた柔軟性の確保:
スプリント中に状況が変わる可能性があるため、スプリントゴールはある程度の柔軟性を持たせることが重要です。ゴールは適宜調整可能であるべきで、変更が必要になった場合は迅速に対応できるようにします。
ただし、スプリント中にゴールの変更が頻繁に行われることは避けるべきです。大きく指針が変わったときはスプリントを中止すべきです。
2. 具体的で測定可能な成果:
スプリントゴールは具体的で測定可能な成果を示す必要があります。 これにより、チームは進捗を追跡し、達成度を明確に評価できます。
スプリントゴールの例
- 新機能のリリース: 「スプリントの終わりまでに、ユーザーが新しいレポート機能を利用できるようにする。」
- パフォーマンスの改善: 「レスポンス時間を現在の平均から 10%短縮する。」
- リファクタリング: 「コードベースのメンテナンス性を向上させるために、既存のモジュール X のリファクタリングを完了する。」
注意点
基本的にスプリントゴールは一つです。複数持つことはあまりありませんが、無理に 1 つにまとめる必要もありません。 1 つに定められない場合は、スプリントの範囲が広すぎないか確認するべきです。 スプリントゴールは、プロダクトゴールに向けた一歩となるものであるべきです。
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