スプリントレトロスペクティブ

スプリントレトロスペクティブは、スクラムチームが過去のスプリントを振り返り、プロセスを改善するためのアクションを特定する重要な機会です。効果的なレトロスペクティブを実施するためには、チームの状況やニーズに応じて様々な手法を適用することが有効です。


手段と目的

振り返り手法は多種多様です。チームに合うものを選びましょう。手法にはそれぞれ目的があり、ふりかえりに求めること全てを一つの手法によって賄う必要はなく、複数の手法を行ってもよいです。

時間はどれくらいかけよう

他のイベントと違って、スプリントレビューはチーム人数やスプリント期間によって大きくかかる時間が異なります。

一般的には以下の時間で収まることが望ましいです。

sprint期間人数時間(分)
1週間3~520~35
1週間6~930~45
2週間3~540~60
2週間6~950~90

人数によって、振り返りにかかる時間は異なってきます。多くの人が参加し、発言が増えればそれだけ時間がかかるということです。 また、スプリントの長さもそうです。スプリントが長ければ出来事を思い出すための時間がかかりますし、起票も多くなります。

しかしどんなに長くなっても, 2週間の場合は90分以内に、1週間の場合は45分以内に終えてください。 なお慣れないうちは表記時間より1.5倍程度かかる場合があります。徐々に時間内に収まるようにしていきましょう。

用意するものはあるか

2020年以前では、付箋、ホワイトボードなどがよく使われていましたが、現在ではSaaSを利用する形が多いです。以下、おすすめのツールです。

  1. FigJam

付箋を貼るタイプの振り返り手法に有効です。以前はMiroが主流でしたが、Figmaアカウントをそのまま使えることもあり、利用者が増えています。

特に優れている点はFigJam上でタイマーを設定できるところです。Google Meetでbrowserのtabを1つ共有するだけでタイマーを表示でき、タイムボックスを守りやすくなるというところが素晴らしいです。

  1. Notion

箇条書き等でできる振り返り手法ではこちらでも良いと思います。Notionデータベースを使うことでデータを蓄積することが可能です。KPTのKeepなどを蓄積すると良いでしょう。

何を目的とするか

レトロスペクティブの目的は「品質と効果を⾼める⽅法を計画すること」です。したがって振り返って終わりではなく、計画まで行うところが重要です。

また、レトロスペクティブは全員参加というところもポイントです。スクラムチーム内のすべての問題・事象を対象とし、ここから問題や懸念点を共有しあい、次のスプリントにつなげるところまでやり切ると良いでしょう。